車載ネットワークの導入背景からイーサネットの重要性について解説

車載ネットワークの導入背景とイーサネットの重要性

車載ネットワークは、自動車技術が発展するとともに登場した、制御システム同士の通信を行う上で必要なネットワークです。車載ネットワークにはCANやCAN FDなど様々な種類の通信プロトコルが採用されています。これらのテスト、シミュレーション、解析を行うツールを利用する際には、通信方式の特徴などを詳しく知っておくことが大切です。

今回は、車載ネットワークが登場した背景や、CAN FDの特徴や魅力、自動車産業の今後に向けて注目されている車載イーサネットの特徴や課題をご紹介します。

【車載ネットワーク】導入背景やCAN FDについて解説

車載ネットワークのシミュレーションやモニタリングを行う際には、通信プロトコルの種類の1つとして挙げられるCAN FDとは何か、また、通信システムが採用されたのにはどのような経緯があるのかなどを詳しく理解しておきたいところです。

こちらでは、車載ネットワークが世の中に登場し普及するに至った背景や歴史を見ながら、高速通信を可能とするCAN FDの特徴や仕組みについて解説します。

【車載ネットワーク】背景

車載ネットワークについて

車載ネットワークは、自動車のシステムを稼働させるために必要なネットワークです。一般的に知られる車の中にはネットワークが構築されており、様々な制御システムをこのネットワーク通信によってコントロールしているのが特徴。この車載ネットワークを可能としている通信プロトコルにはCAN、CAN FD、LINなどが規格として挙げられます。

では、このようなネットワーク通信が自動車の中において必要となったのには、どのような経緯があるのでしょうか。

まず、車の中には走るシステム、曲がるシステム、止まるシステムなど数多くの制御システムが存在しています。これらが相互に作用しあって車両システムを動かしているため、この相互作用には車載ネットワークが不可欠です。

自動車の高性能化が著しく進むまでは、それぞれの制御システムは一対一で信号のやり取りをするのみで問題ありませんでした。当然ですが現代と比べると、それだけ昔の車は単純なシステムで、機能も現代ほど高いものではなかったのです。

しかし時代の経過と技術の発展に伴い、自動車の高機能化は迅速に進んでいきました。その結果、従来の配線・単純なデータ通信システムでは部品・コストの増大化を招くこととなったのです。これは車載ネットワークが標準化されるまでに見られた自動車産業における大きな課題となりました。

そしてこの問題を解決すべく開発されたのが、配線を最小限に抑える車載ネットワークです。車載ネットワークが登場し規格化・標準化されたことで、重量が大きくなりコストも増大していた自動車は、晴れてコスト削減を実現するに至りました。

ちなみに従来の通信システムは、自動車メーカーごとに独自に開発されていたため、テストやシミュレーション、その後の保守費用がかさむことも大きな課題でした。車載ネットワークとして採用されている通信プロトコルには、規格化されているものにCAN・LINなどがありますが、これらの規格化はこの開発費・保守費のコストを抑え、スピーディーな開発・保守を実現することにも大きく貢献したのです。

【車載ネットワーク】CAN FDの魅力

CAN FDの魅力について

車載ネットワークにはCAN・LINなどの通信プロトコルの種類があります。この中でも車載ネットワークだけでなく、多くの場面で採用されている代表的な規格はCANに該当します。

CANプロトコルでは電子制御ユニット同士を一対一で通信するのではなく、複数のユニット同士で優劣なく通信できるという特性があるため、配線を最小限に抑えること、車両の部品小型化・軽量化することに貢献しました。

CANは最大1Mbpsの高速通信を可能とするため、リアルタイム性を求められる部分においては積極的に採用されているのが特徴です。

ちなみにCANは通信速度によって種類が異なりますが、近年は、最大1Mbpsだった速度に対して最大8Mbpsの高速通信を実現するCAN FDという種類の通信プロトコルも登場。厳密にいうとCAN FDはCANを拡張したものとなっており、CAN FDでは大容量のデータ通信も高速で行うことが可能です。

自動車の安全性・快適性を重視した最新システムの開発は、今もなお著しく進んでいます。自動運転といったシステムを安全に作動させていくためには、これまで高速通信として主流となっていたCANでは力不足になることが課題として指摘されています。こういった背景から登場したのがCAN FDというわけです。

これまで、高機能なシステムをスムーズに作動させるにあたってCANバスに大きな負荷がかかったときは、複数バス化などの対策が取られていました。しかし、CAN FDであれば大容量データを高速で送ることができるため、複数バス化などの対策は不要となります。このようにCAN FDの登場は、ますます車載ネットワークの可能性を広げたといえるでしょう。

【車載ネットワーク】イーサネットの必要性とは

車載ネットワークが取り入れられることによって、自動車の機能性はどんどん高まり、高度な機能を持つ自動車が主流となってきました。しかし技術の発展は同じように進んでおり、自動運転技術といった機能が登場してきている中で、CANプロトコルが採用された車載ネットワークではすでに限界を迎えつつあるのも事実です。

この課題を解決すべく開発が進んでいるものの1つがCAN FDの通信方式ですが、他にはイーサネットの導入も選択肢として挙げられます。ここからは、イーサネットの必要性について解説します。

【車載ネットワーク】課題

車載ネットワークの課題

これまで高度な車の機能をスムーズに実現するためのネットワークとして、CANなどが用いられた車載ネットワークは、その利便性を遺憾なく発揮してきました。しかし近年はより高度な機能が登場してきたからこそ、従来の車載ネットワークでは限界があることも課題として挙げられます。そこで注目されているのが車載イーサネットです。

イーサネットはさらに速い

車載ネットワークでは、CANの場合は最大で1Mbpsの通信、CAN FDの場合は最大で8Mbpsの通信がそれぞれ可能となっていましたが、車載イーサネットはさらにその上を行く大容量・高速通信を実現するのが特徴です。現在車載イーサネットが取り入れられている車両の通信速度は、100Mbpsとなっており、他には1Gbpsなどの通信規格も存在します。もちろんそれ以上の規格策定についても計画は進められています。

これだけの高速・大容量通信ができるとなれば、動画や画像、音声データの通信もスムーズにやり取りできるようになり、自動車の機能性はさらに上がっていくと考えられるでしょう。

導入における課題

全ての車両に早くイーサネットを導入すれば良いと思われがちですが、実際のところ話はそこまで単純なものではありません。導入・普及にあたって課題は山積しているのが実情となります。

車載ネットワークから車載イーサネットを構築するためには、上位の通信プロトコルの使用が欠かせません。これは当然ながらCAN、CAN FDよりも複雑性は高いため、テスト・モニタリング・シミュレーションの工数が増えることも明らかです。そのために必要となるツール・ソリューションの数も増えていくでしょう。

もちろん、コスト面の課題も見過ごせません。このため現代は、車載イーサネットを取り入れるにあたってこれらの課題をいかに解決していくかが重要となっているのです。

【車載ネットワーク】イーサネットの重要性

イーサネットの重要性について

自動車の高機能化が進む現代では、車載イーサネットを取り入れることが将来的な目標として注目されています。こちらでは、イーサネットの重要性について見ていきましょう。

高速通信が可能

CANやCAN FD、LINなどの通信プロトコルと比べれば、車載イーサネットではさらに上位互換となるプロトコルを使用するため、より高速の通信が可能。これにより、多くの情報のやり取りが高速化され、機能性の幅は大きく広がることが考えられます。

コネクテッドカーの普及

車載エンターテイメント機器の充実や自動運転の実現には、カメラの映像など大容量データの転送が必要となります。しかしLINやCAN、CAN FDなどの種類の配線では、帯域が狭く通信が追いつかない可能性があります。そこで映像伝送に対応した、より高速な車載イーサネットを導入すれば、それらのインフラを使ったコネクテッドカーがますます普及することが期待されます。

クラウド接続の利便性もアップ

CANによる車載ネットワークでは、外部のクラウドサーバーにアクセスするときに、ゲートウェイを通じて変換を実施する必要がありました。しかし車載イーサネットではこの工程は不要となり、よりスムーズな外部接続が可能です。

車載ネットワークのツール開発の実績が豊富な株式会社ピーアンドエーテクノロジーズ

車載ネットワークは自動車技術の発展に伴って登場したネットワークです。その中に採用されている通信プロトコルの1つであるCAN FDは、CANを上回る高速通信・大容量通信が可能となっているのが特徴。しかし、CAN・CAN FDによる車載ネットワークでは将来的に限界があることも課題として指摘されており、近年は車載イーサネットの導入も非常に注目を集めています。

株式会社ピーアンドエーテクノロジーズは、車載ネットワーク開発に長く携わってきたシステム開発会社です。CAN・CAN FDの解析ツール、シミュレーションに対応した製品の提供も行っております。貸出機による動作確認・シミュレーションが可能ですので、ツールをお探しの際にはぜひお気軽にご相談ください。

車載ネットワークのツール開発は株式会社ピーアンドエーテクノロジーズにご相談ください

会社名 株式会社ピーアンドエーテクノロジーズ
英文社名 P&A Technologies Inc.
住所
  • 本社
    〒020-0857 岩手県盛岡市北飯岡2丁目4-23 ヘルステック・イノベーション・ハブ 101
  • 分室
    〒020-0857 岩手県盛岡市北飯岡1丁目9-2 M-tec C-2棟
TEL
FAX
  • 本社 019-601-3273
  • 分室 019-601-3273
設立 2009年9月2日
事業内容 自動車・医療分野向けコンピュータ関連製品の開発・製造・販売
労働者派遣事業 許可番号 派03-30012マージン率等に係る情報提供(R4.6.28現在)
URL http://www.pa-tec.com/